農場HACCP認証の構築技法を公開します

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農場HACCP認証の構築 nogutikusanの極意 準備編

農場HACCP認証を取得したい方のご質問の中で多い構築の方法をわかりやすく説明していほしいと言う声をいただき、今回5回に分けて私ども事務所のご指導方法に活用している構築方法を公開いたします。
農場HACCP認証は大規模畜産農場のみが取得できるものではありません。
少人数の農場、家族経営の農場も構築できますし取得も可能です。
私ども事務所にご相談いただく農場は主に少人数農場の方々からご質問をいただきます。
今回は、少人数の農場を構築する場合の手順をご説明いたします。
私どもは、フルサービスでの構築以外にもポイントのみのご指導も行っております。
このようなサービスを行っていることもあり活用できる可能性があることでご質問いただけていると感じております。
今回公開する方法は私どもの指導方法を再構築してお伝えします。
農場により活用しにくいこともありましょうが、農場に合った方法に再構築していただいても良いと思います。


目次
1、農場HACCP認証 準備編 ~何を準備するのか(このページ)
2、農場HACCP認証 構築編1 ~何から始めますか 
3、農場HACCP認証 構築編2 ~構築の本丸  
4、農場HACCP認証 教育しましょう ~何を教えましょうか 
5、農場HACCP認証 検証と完成 ~最後の調整をして申請しましょう 

このようなスケジュールでお伝えします。
私どもの構築技法を是非ご覧いただき、まだ決めかねている皆さん方に安心をお届けできればと思います。
最後までどうぞお読みください。


1、農場HACCP認証 準備編 ~何を準備するのか
今日は、その第1回目になります。
農場HACCP認証を構築する場合、インターネット上では構築技法を主に取り上げており作り方は分かるのだが、どのように始めるのかは説明している情報がないと言う声をいただきます。

ですので、今回は準備編として構築前に行うことをお伝えします。

(1)構築準備は何から始めましょうか
すぐに文書構築していくというのも間違いではありません。
しかし、構築する前に決めなければならないことを先に行います。
それは、
①何の目的で認証を取ると決めたのかという「意気込み」です。
経営者の方がこれを従業員に示していただきたいのです。いわゆる「コミットメント」と呼ばれるものです。
これを示すことにより、漠然とした中でも会社は何かを取り組みしていくことはわかります。
団結して前に進んでいくことを示してあげましょう。

②HACCPチームを招集します。
HACCPチームは、農場HACCP認証の構築方向性を決める大事な組織です。

出来るだけ、解決できる技量があることが望ましいと言われますが現実はそんなに甘いものではありません。

そんな潤沢に人を雇用できないと言う声を良く頂きます。

ですから、チームには以下の方をまず配置しましょう。
「認証を取得したい農場責任者」「認証取得予定の農場担当」「今回以外に取得したい農場責任者」「農場HACCP認証構築が出来、助言できる指導者」となります。

最低3名又は今回取得しない農場責任者を除くことも良いでしょう。人数が多いことによるメリットもありますが(考える数が多く精度が上がる)、必ずしも多いことによるメリットがあるわけではありません。

実際重要なのは、助言できる指導者がいるかどうかで認証までの道のりが決まると言っても過言ではありません。

実際例として、HACCPチームの重要性を説明しないで準備を始めると、大抵は数合わせか、一緒に考える要員がいない機能不全チームになることが多いと感じます。

この場合指導者の力量次第で何とか維持できる場合もありますが、何とか認証出来たのち維持審査時に不安要素が露呈(検証できない、システム維持が出来ない、農場HACCP認証構築は文書構築以外にも、教育しなければならないこと、構築した文書以外にも付随する記録表の原簿を作ること、構築文書の保管等実際は構築までにはいろいろの手順や手間があります。

このため、認証の構築を熟知している人物次第で、期間が長期化したり、構築断念等のリスクをある程度防ぐことが出来ます。

しかし、2カ月3日月では構築できることはありません。

ある程度の期間が必要で1年又はそれ以上ということも珍しいことではありません。

このため、粘り強い指導者であること、常に情報を更新できるような人物が理想ですし、なにより指導方法が上手であること、パソコンスキルを有していることも、成功までの道のりを決める要因になります。

ですので、多くの方はこの分野をコンサルタントに依頼することが多いのでしょう。

③HACCPチームに仕事内容について説明します。
突然招集されたHACCPチーム員の皆さんも十分HACCPについて学んでいるとは限りません。このため、責任者は農場HACCPについて説明し、チーム員の皆さんに検討してもらうことを説明します。
チームではいいところだけを見せるような議論でなく、純粋にシステムのため、農場の為に考えてもらう必要があります。
このため、あまりにも力量が大きくかけ離れている場合はチーム員の入れ替えも必要になりましょう。
なにしろ、チーム員の検討が決定要件になるからです。

④HACCPチーム員と責任者を区別します。
HACCPチーム責任者とチーム員の違いをおさえましょう。
HACCPチーム員の仕事はシステムの構築に関して助言してもらう立場です。ですから、農場の特性を軸に農場HACCPを取り入れる場合の方法や法規制を含めてより良い農場運営の方法を考える大事な方々です。
最初は右も左もわからず困ることもありましょう。しかし指導者の適切な助言により本来の機能が備わることが多いので最初は学習しながらシステムの中に取り込まれることが成功への第一歩になります。

HACCPチーム責任者は、農場HACCP構築の際に必要となる技量を有しており、チーム員の皆さんに助言したり、構築の進捗を管理します。また必要な教育を実施し皆さんが技量を有して取り組みできるように道を切り開いていきます。
検証時もより良い方法を構築し常に最新システムで運用できるような環境を整備しなければなりません。
また出来上がった文書類・記録表類も適切に管理できるようなシステムを作り、保管しなければなりません。

責任者として、多くは農場HACCP認証指導員講習を受講した方を起用するようですが、それ以外にもやり遂げる力、農場を見回り問題点を見つけるような人材であれば尚可というところでしょう。

ですから、構築から教育検証全てを丸投げする方もいますが、人によりそれも可能ですが本来はすみわけがあることを理解し置いたほうが後々問題点を回避できると思います。


いかがでしょうか。
準備は構築からでなく、その下地を整えることが重要であることがお分かりいただけたと思います。

後にふれますが、下地を省略した場合構築は責任者が行うこともできますが現場との温度差を生み後で大きな不安となります。
ですから、責任者任せの構築ではなく皆さんが主役の農場HACCP認証となるよう準備を整えることが大事です。

上記の準備が整ったらいよいよスタートとなります。

経営者、HACCPチーム員、HACCPチーム責任者それぞれが、受け持つ責任があります。

行き詰る多くは経営者、HACCPチーム(責任者が主体)という構図が多く、チームは機能していないことが多くチーム員の中も自覚が芽生えず何も前進できない状況になることです。

多くの原因はHACCPチーム責任者に丸投げすることでわからないことを学ぶ必要がなく手間も感じないことで他人のように感じ意味をなさないと言う例です。

何事もそうですが、関心がないものはとことん興味がないのは人の共通事項でしょうが、関心がない場合多くは意味のないチーム会議となり、議論は核心を得ることが出来ない内容と、的外れの協議となり時間の無駄と感じる方もいましょうし、それが原因でHACCPとは無駄なもの・つまらず無意味なもの、時間ばかりかかり農場には不要と感じ、一部の方は費用対効果から見て割が合わない制度と判断することもあり、農場HACCP認証を見送る方もいます。

しかし、農場HACCP認証を採用した多くの農場は人の考えが変わることで考える力を身につけ、事故防止の考えを自ら探し生産性向上のために何が出来るかを自身で答えを見つける自律した従業員に変化したと答えます。

構築をご指導して多く頂く言葉ですが、構築後2年、3年と経過するほど導入した農場とそうでない農場の差ははっきりすると感じます。

何事も準備が大事です。「段取り8分、仕事2分」といわれるように、下準備がすごく大事です。
いきなりの構築は既に自社内で認証がある場合で変更箇所の変更の場合に限ります。

私たち構築歴のあるアドバイザーは農場経験があり農場構築(HACCPチーム責任者を経験しており全てを把握しております)も実施していますので、認証基準に基づいた構築指導とは異なり、現場目線で構築支援が出来ることで安心感がちがうとお褒めを頂いております。

今回は、分かりにくいこのような認証構築の内部をお話しております。自社に合った方法が必ずあります。
それを知るためにも農場内を良く見回り適材を見つけることが大事です。
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